採用内定により労働契約が成立している場合には、労働契約上の地位にあることの確認と入社予定日以降の賃金を請求することができます。会社が入社を拒絶し、現実には就労していないとしても、労務の提供について会社が受領拒絶しているわけですから、労働者は反対債権(賃金)を失いません(民法536条2項)。不当解雇の場合と同じことです。
内定取消しを受けた後、やむを得ず元の職場に復帰した場合や他社に就職した場合は、地位確認請求は認められなくなりますが、それまでの間の賃金を請求することができますし、慰謝料の支払いを求めることができます。
内定取消しそれ自体は、やむを得ない事由によるものであるとして適法とされても、その事由が生じうる事情の説明を怠ったことを不法行為とし、内定取消後の一定期間に対する賃金相当額の損害賠償請求を認めた裁判例もあります。