高年齢者継続雇用制度は会社が高年齢者雇用安定法9条1項に基づいて要求される措置として導入するものであり、その制度設計は会社に委ねられています。そのため、1年程度の有期雇用とされている場合が少なくないようです。
そうすると、期間満了時に通常の有期雇用と同様、契約を更新するしないの選択の余地が出てきます。労働者が65歳になる前の時点で能力の低下等を理由に会社が更新を拒絶した場合、雇止めは適法となるのでしょうか。
雇止めの適法性については労働契約法19条によって判断されますので、まずは労働者に更新に対する合理的な期待があったかが問題となります。この点、継続雇用制度によって雇用されている労働者には、継続雇用制度が「65歳までの安定した雇用を確保するため」の措置であることから、65歳に達するまでは更新されることへの合理的な期待があるといってよいでしょう。
そうすると、雇止めが適法であるためには「客観的に合理的な理由」があって「社会通念上相当であると認められる」ことが必要となります。「能力の低下」による更新拒絶の場合、雇止めが適法となるためには、「能力の低下」の結果、解雇事由ともなりうるほどの著しい能力不足と認められなければならないでしょう。