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長期間の経過と懲戒処分の可否


問題とされる非違行為があってから長期間経過した後に懲戒処分が行われることがあります。懲戒処分について、法律上、「時効」のような制度はありませんので、長期間経過しているというだけで直ちに違法な処分ということはできません。

しかし、長期間経過しているという事実が、一切、懲戒処分の適法性に影響しないともいえません。

この点、a)使用者が非違行為を把握していなかったケースと、b)使用者が非違行為を把握していたケースとに分けて考える必要があります。

 

まず、a)使用者が非違行為を把握していなかったケースについては、把握できなかったことについて使用者に落ち度がなく、かつ把握後速やかに処分を行う限りは、基本的には問題がないといえます。

しかし、その場合であっても、長期間経過しているという事情は、①時間の経過によって非違行為による企業秩序侵害の影響は薄れていくと考えられること、②非違行為後に労働者が問題なく勤務を続けた事実が労働者に有利な情状となること、③記憶の希薄化、証拠の散逸によって労働者の防御が困難となること、などの観点から、処分の相当性が否定され、懲戒権の濫用(労働契約法15条)とされる可能性を高める要素だと考えられます。

 

次に、b)使用者が非違行為を把握していながら懲戒処分を行わないまま長期間経過した後に懲戒処分を行うケースについては、下記参考文献の論考では「特段の事情がない限り、懲戒権の濫用とみるべきであろう」とし、その理由として、使用者が放置していることは、企業秩序侵害の危険性が低いことを推認させる一方、労働者の地位を不安定にすること、などを指摘しています。適切な見解だと思います。

ただし、b)のケースでも、使用者が刑事・民事の公的機関における判断を待っていた場合には、別段の考慮が必要です。下記論考では、「公的機関の認定・評価を待って処分すること自体は、処分の客観性を担保する観点から望ましいともいえる」としつつ、ただし、そのような場合には「公的機関の判断を待って懲戒処分を行う旨をあらかじめ通知をしておくこと」「結果が判明したときには直ちに措置を採るべきこと」「公的判断の結果を尊重して懲戒処分を行うこと」が求められるとしています。

 

参考文献:毛塚勝利「事件から長期間経過した後になされた懲戒解雇の効力-ネスレ日本事件」(ジュリスト1332号229頁)

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