〈事案の概要〉
ソフトウェア開発会社に勤める30代男性のAさんについて、ある日、他の社員らから会社に対し、Aさんのパワハラ的な言動を非難し、退職させることを求める要望が出されました。Aさんは、社長から自宅待機を命じられた後、弁明を聴かれることも無く懲戒解雇を通知されました。
〈事件処理の結果〉
会社に対し、解雇の事由を具体的に明示すること、Aさんの職場復帰を認めることなどを要求する内容証明郵便を送付しました。会社からは一応の回答はありましたが、職場復帰は拒否されました。Aさんと方針を検討した結果、本訴を提起することとしました。提訴にあたっては、残業代の支給不足等の問題もあったため、過去の未払賃金の請求も付加しました。
9か月余りの審理の結果、従前支給されていた給料10か月分余りの解決金の支払いを受けることで和解に至りました。
〈コメント〉
他の社員との軋轢についてはAさん自身も一定の責任を感じていました。また、今後については、他の業界に進む意向を次第に固められ、その結果、和解に応じることとしたものです。解決金のレベルについては、未払いの残業代は多額でなかったことなどの事情もあり、充分満足していただける内容であったようです。