不文の規範として「ノーワークノーペイの原則」が認められています。賃金は労務提供の対価なので、就労しなければ賃金債権は発生しないという原則です。
しかし、不当解雇(雇止め)された労働者が解雇無効となった場合には、解雇後の期間について、働いていないのに賃金請求が可能とされています。その旨定めた条文は労働基準法にも労働契約法にもありません。何が根拠でしょうか。
使用者が有期雇用の労働者に対し、更新後の労働条件を切り下げることを予告し、切り下げに応じなければ更新を拒絶する旨の通告をするケースがあります。
更新が何度も繰り返されているようなケースでは、労働者の意識の上では、期間の定めは形式的なものに過ぎず、したがって、使用者がする上記のような通告は、一方的な契約の変更であって許されるはずがない、と思われても無理はありません。
労働契約法18条は、有期労働契約が少なくとも1回以上更新され、通算契約期間が5年を超えた場合に労働者に無期契約への転換を申し込む権利を与えています。
同条は、平成25年4月1日以後を契約期間の初日とする有期労働契約について適用されます。